史の詩集  Fuhito Fukushima

福島史(ふくしまふひと)の詩集です。

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Vol.14−2

31.心流れて 流れよ 流れよ 僕の心 君への愛 嵐の後 水は尾を引いて流れた 今まで築きあげた 何もかも 一瞬に流れてしまえ 何もかも 残さないように 一つの出会いが 一つの愛が不意に終った この世に永遠というものはない 信じていた たった一つのものが …

Vol.15

詩Vol.15 1.路地とコインと救世使 少女から女性になろうとしている子が すすり泣いているのは 夜の路地です 下宿から吐き出されたのを 両手を上に伸ばして歩いてきた 救世使が気づきました 彼の右のポケットにコインが3枚入っています 一枚はちょうど横の…

Vol.14−1

詩Vol.14 1.瞳に写らない! 目が口ほどにものをいうなら なぜあなたはわかってくれない 僕が穴のあくほど 君を見ても あなたの瞳に 僕はゆれて 定まらない この僕の目は偽りなのか ガラス玉か そうなら うれしいけど あなたの瞳にあふれた涙が 僕をぬぐい…

Vol.13-1

詩Vol.13 1.平和という危機感 平和 それは恐ろしき退廃に向かっていく すべてを緊張状態の均衡に ぶらさがっていたときにはまだしも 精神の底からの 緊張のない平和な日々なぞ 続くはずがない 恐ろしい 何かが起こる このままで済むはずがない 戦争に初め…